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第128話 嘘と笑顔

Auteur: 雨音休
last update Date de publication: 2026-08-01 06:03:30

 ニキは打ちひしがれていた。

 レベルがまた1になってしまった。仲間たちに何て言えば良いだろうか? トウマにどんなふうに説明すれば良いだろうか? 

 何より、晴恋に知られるのが怖い。

:ニキさん……。

:夜月とモナ、許せねぇ。

:セレクターみたいなギルドがあるから、ゲームが面白く無くなるんだよ。

 雨をこらえているような曇り空だった。今のニキの気分を代弁しているかのようである。道端には小さな植木鉢があり、赤いカーネーションが風に揺られていた。他人の気も知らずに元気いっぱいに咲き誇っている。

 キャルル丸が首だけ振り返ってニキのあごをべろりと舐める。「きゃるるぅ」と心配そうに鳴き、何度も何度も舐める。ニキは顔を振ってため息をついた。キャルル丸に告げる。

「キャルル丸、みんなのいるレストランへ帰るさ」

「きゃるるぅ」

 歩き出す。

 ニキはしょぼくれたまま、キャルル丸の歩く振動に揺られていた。

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